笙歌茶会Vol.7～東田はる奈と花の苑～

初演：2024年3月31日　＠忠綱寺

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笙：東田 はる奈 / Haruna Higashida

 

【作品解説】

「願はくは」。美しいその言葉の響きの中に、私はなんとも形容しがたい切なさを感じます。

思うに「願い」にはいろいろな形があるのではないでしょうか。

〇〇であるはずだった未来、欲しくてたまらなかったのに自ら手放したもの、どんなに追い求めても手に入らなかったもの、…「叶わなかった願い」は考えればきりがありません。

しかし、ある願いが成就しなかったとき、形を変えて叶う〝何か〟があるのではないかと思います。予期しない場所で出会ったかけがえのない人、想像もしていなかった未来、…。

 

現代語では「願うことには。どうか。なにとぞ。」という願望を表す「願はくは」。

明るさと、もの哀しさ。そのどちらをも併せ持つ「春」にぴったりの言葉だとも思います。

 

笙の古典で「春」を表す「双調(そうじょう)」の和音を、様々なアプローチで曲中に散りばめました。

聴いてくださる方々の願いが、一つでも多く叶いますように…。祈りも込めた一曲です。

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