‘Oto-emaki’,  the Scroll of Sound for Orchestra (2020)
[ 3222 - 4223 Timp+3 Hp Cel Str ]

2020年度 東京藝術大学奏楽堂モーニング・コンサート第4回

2020年12月18日収録　＠東京藝術大学奏楽堂

​

指揮：現田 茂夫 / Shigeo Genda

演奏：藝大フィルハーモニア管弦楽団 / Geidai Philharmonia Orchestra

​

【作品解説】

この作品は、絵巻をテーマとしています。

絵巻における主人公を本作における主題としており、主題は様々な姿かたちに変身し、縦横無尽に駆け巡ります。

曲中では、絵巻の紐が解けたり、銀箔が厚く塗られて鈍い光を放ったり、金箔が吹き付けられていったりする様など、絵巻をイメージした様々な音色を表現しようと試みています。さらに絵巻の技法の中からいくつか、音楽に還元できるのではないかと考えたものを楽譜のビジュアルにも音響的にも表現しようと工夫を重ねています。

〇「反復描写（主要人物が何度も現れる。）」→主題が変容し、様々な楽器で提示される。

〇「異時同図法 （一度に開かれる巻物の場面に、同じ人物が複数描かれる。それを通じ、時間の経過をも表す。）」→主題が1ページの中に複数回、対位法的に重ね合わされる。

〇「すやり霞（遠近感を与え、場面転換に用いられる、横に長くたなびく霞。）」→セクション間を滑らかにつなぐために、主題に関連する要素がフェードアウト・フェードインの役割を果たす。

​